ソファについてのいろいろ話(48)

ソファについてのいろいろ話

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ソファまわりの色々な事柄について見聞きしたこと、

感じたことを綴ってまいります。

よろしくお付き合い下さい。
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第48回テーマ 「  裁断  」
 
GRAVITAのソファカバーはすべて
天然素材を中心とした生地をイタリアから直輸入して製作しています。
 
季節ごとに新作を仕入れるので、
現在110種、500色くらいの生地を、社屋や倉庫で保管しています。
 
筒状にくるくると丸められてやってくる生地を
カバーに仕立てるための第一段階が裁断。
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型に合わせて切る。
言ってみればそれだけのことですが、
これがなかなか奥深いのです。
 
生地によって、伸縮率が違うので、
その特性を見極めて裁断をしていきます。
縫うと縮むもの、ハサミを入れた瞬間縮むもの、逆に伸びるもの。
十生地十色です。
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あらかじめ、触ってみたり、縦横に伸ばしてみたりして
あるものは5㎜大きめに、あるものは1cm小さめにと
生地ごとに基準値を作って裁断を行うのですが、
同じ生地でもロットによって
微妙にコンディションが異なるものもあり、
こうなると、これまでの経験や実績を総動員して
作業を行うしかありません。
 
ここまで神経を使うのは、
カバーの仕上がりによっても、
ソファの印象が違ってしまうから。
 
きれいに角が出ない、なんとなくもたついている
これでは、せっかくのデザインが生かされません。
 
GRAVITAのソファカバーは
クリーニングが可能なので、その辺りも考慮しながら、
最適な裁断サイズを導き出していきます。
 
現在、裁断工程を任されている責任者は
8年の経験を経てやっと、
生地の個性が分かるようになってきたと言います。
 
それでも、ソファにカバーをセットして仕上がった姿を
毎回細部まで確認しています。
実績を積んで自分の中にデータを蓄積しているのでしょう。
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ソファだけでなく、洋服や靴、カーテンなども同じではないでしょうか。
少しくらい、、、と思いがちですが、
そのわずかな部分にも気を配り、最適なサイズのものを選んで
初めて美しく見えるのかもしれません。